Web時代をどう生きる?フリーランス編集者の今とこれから

編集者の活躍の場は広がっている

近年のWebメディアの発展に伴い、Webライターの仕事が増えているだけでなく、編集者(エディターが活躍できるフィールドもどんどん広がっています。

これまで「編集者」として働く方法は、出版社や編集プロダクションに所属するか、フリー編集者として出版社や編プロから依頼された仕事を受けるかのどちらかが一般的でした。しかし、最近は「Webコンテンツの編集者」という仕事が選択肢の一つとして挙げられるようになりました。

これを読んでいる方の中には、「これからフリーランスの編集者として仕事をしたい」「フリー編集者としてWeb媒体の仕事もやりたいが、Web編集の仕事内容をよく知らない」という方もいるでしょう。そんな方のために、雑誌や書籍といった紙媒体におけるフリー編集者の仕事と、Web編集の仕事についてご説明します。

フリー編集者の仕事(紙媒体の場合)

求められるスキル

編集者の仕事は企画・編集・校正などのほか、外部のライターやデザイナー、カメラマンとの折衝、納品物のチェックや予算の管理など多岐に渡ります。フリー編集者は、その全てを自ら行う必要があります。

そのため、企画・編集のスキルやセンスはもちろん、編集作業全般をマネジメントする力も不可欠です。出版社や編集プロダクションでは編集長や進行管理担当者が行う仕事も、フリーになれば全て自分でやらなければならないことを覚えておきましょう。

人脈を確保しておこう

また、業界内外に人脈をもつことも重要です。フリー編集者になるためにはまず出版社や編集プロダクションで経験を積むことが一般的ですが、その間にライターやデザイナー、カメラマンなどとのパイプをしっかりと築いておく必要があります。また、独立後に仕事をもらえるように、在籍していた会社とは退職後も良好な関係を保ちましょう。

やりがいはあるが厳しい仕事

編集としての能力のほか、マネジメント力や人脈の確保まで求められるフリー編集者は決して楽な仕事とはいえません。しかし会社組織の中で働くのとは違い、自分の目指すものをとことん追求できるやりがいのある仕事といえます。また、時間を自由に使うことができるのも魅力です。

ただし、昨今の出版不況で雑誌・書籍編集者を取り巻く環境は厳しくなっています。フリー編集者として働く中で、「経験も能力もあるのに仕事がない」という問題に直面することも考えられます。そんな不安を抱えている方は、Web編集という仕事に目を向けてみるのはいかがでしょうか。次章では、Web編集者という仕事について詳しく解説します。

Web編集者の仕事

Web編集・Webメディアについて知っておきたいこと

Web編集の主な仕事は、企画や進行管理、外注業者とのやりとり、編集作業などです。このように基本的な部分においては紙媒体の編集と同じですが、紙媒体とWebメディアは媒体そのものの性質が異なるため、編集に求められるスキルも若干異なります。以下では、Webメディアの特徴についてご説明します。

速報性に優れている

コンテンツの作成後に印刷や製本、流通といった時間が必要となる紙媒体に比べ、Webメディアはすぐにコンテンツを発信できることが特徴です。そのため、Web上では毎日大量のコンテンツが配信されています。

そんな中でWeb編集者は紙媒体の編集者以上に流行や読者のニーズに敏感になり、求められているコンテンツをいち早く提供できるようになる必要があります。

情報量の制限がない

雑誌などにおいては、決められた枠内で要点をまとめなければなりません。したがって、重要な情報を優先してマニアックな情報をそぎ落としてしまうことも多くなります。

一方でWeb媒体には文字数の制限がないため、取り扱うテーマについてより詳しく掘り下げた情報を届けることができます。専門的な情報を発信していきたいという方はWebメディアと相性が良いと言えるでしょう。

読者(ユーザー)の反応がダイレクトにわかる

紙媒体ではコンテンツに対する反応は「部数」に集約され、一つひとつの企画に対する反応を正確に知ることは困難です。しかし、Webメディアでは読者(ユーザー)に関するさまざまな情報を獲得でき、分析することができます。その分析をもとに、より求められているコンテンツを発信することができるのです。

Web編集者の重要性

Webメディアにおいてはライターが企画から記事作成までを手掛けることも多いため、編集者は不要なのではないかという議論が起こることもあります。しかし、編集者をつけることでそれまでよりもPV(ページビュー)が格段に上がったという事例もあります。Webメディアにおいては経験の浅いライターが記事を執筆することもよくあるため、経験豊富な編集者の存在がクオリティ向上のため非常に重要になります。

フリー編集者のこれから

前章ではWeb編集の仕事についてご説明していきましたが、媒体の性質の違いはあれども、紙媒体での編集経験を十分活かせる仕事であることがお分かりいただけたかと思います。出版不況・Web時代の今、フリー編集者として働き続けるためにはWeb編集者という選択肢も視野に入れてみるといいでしょう。

無数のコンテンツが量産されるこの時代をWebメディアが生き抜くためには、クオリティの向上が不可欠です。そんな時代だからこそ、編集者としてのあなたの経験が活かせる場所がきっと見つかるはずです。媒体の種類にとらわれることなく、あなたの力が活きるフィールドをぜひ探してみましょう。

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ponnu
幼少期から「他人の役に立ちたい」「自分がしんどいのはイヤ」という2つの気持ちのせめぎ合いの中で育つ。人の役に立てるようになるべく臨床心理士、弁護士、行政書士、公務員などを目指しかけるが、根っからしんどいことが嫌いなため毎回すぐに挫折。大学卒業後「文章書くの楽しそう」という漠然とした気持ちから雑誌編集者になり、現実に打ちのめされる。その後、紆余曲折を経てwebライターへと転身。自分が楽しみながら書いた文章でなにか少しでも人の心に影響を与えることができれば、という思いを胸に日々奮闘中。

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