フリーライターに求められる文章力以外のスキルとは

フリーランスのライターに必要な文章力以外のスキル

フリーランスのライターとして生きていくということは、自分の文章力を商品とする店をひとりで営むことと同じです。フリーライターは、案件の受注、原稿の執筆、納期の管理、報酬の交渉など、お金を得るに至るまでのあらゆる業務を、自分だけで行わなければなりません。

フリーライターと、企業に雇われたライターの一番の違いは、文章力だけでは収入が得られないという厳しさにあるといっても過言ではないでしょう。ここからは具体的に、フリーランスのライターの仕事に求められるスキルについて考えていきます。

ライターに求められるコミュニケーション能力

フリーライターとして仕事をするために、最も重要なのがコミュニケーション能力。仕事をもらい、文章を執筆するときは、相手が自分に何を期待しているのか考えなければなりません。

相手に自分から連絡する努力

原稿を書いていて不明点が出た時、それを確認しないで自分勝手に原稿を作ると、クライアントが希望したものとまったく違うものが出来上がってしまう危険性があります。クライアントの指示があいまいな場合は、自分から連絡をとって、クライアントの意向を確認する手間が必要です。

とはいえ、不必要な打ち合わせで相手を煩わせることは極力避けなければなりません。案件を受ける打ち合わせの際にはクライアントと自分の考えをすり合わせ、あとから不明点を出さないようにするのがベターです。

言い出しづらい状況でも真摯な対応を

また、原稿を納期に間に合わせることがどうしても難しい場合や、与えられた情報だけでは原稿作成が難しく、もっと深い取材が必要になる場合などは、クライアントに相談を持ちかけなければならないこともあります。どんな状況でも誠実に、相手とコミュニケーションをとっていく姿勢が求められます。

フリーランスの仕事は信頼関係で成り立っています。自分がどんなに忙しくてもクライアントからの連絡を無視するのはもってのほかです。最低限のマナーや挨拶を軽視しがちの人は、フリーライターとして安定的な収入を得ることは厳しいでしょう。

何をするにも大切な自己管理能力

自分の好きな時間に好きな場所で仕事がしたいと考えて、フリーライターを目指す人は少なくありません。確かに、フリーライターとして成功している人の中には、平日の昼間にテレビを見たり、夜しか仕事をしなかったりする人もいますが、それは自己管理ができて初めて許されること。フリーライターは誘惑に負けず、自分自身を律していける力が試される職業です。

作業時間や納期の管理

受けた仕事を納期に間に合わせるということは、ライターに最低限求められるスキルです。そのためには今日中にこれを終わらせる、この案件は時間がかかるから早めに取りかかる、など自分の作業のペースと納期を計算して、仕事に優先順位をつけることが必要です。

請求書の作成や経理

ライターに限らず、すべての個人事業主は確定申告が義務づけられています。仕事のために使った経費、得た報酬、交通費などの管理をしっかり行わないと、仕事でどの程度の利益があったのか、わからなくなってしまいます。将来的に脱税疑惑をかけられたくなければ、仕事で動いたお金のすべてを把握する必要があります。

フリーランスのライターにとって人脈は大切なもの

フリーランスのライターは、自分で仕事を探さなければお金を稼ぐ機会さえも得られません。出版社の人間やメディアの編集者の集まりで自分の存在をアピールできればいいのですが、何のコネもない場合はどうしたらいいのでしょうか。

知り合いの職業を今まで気にしたことがなかった人は、ここで自分の持つ人脈を整理してみましょう。文章を書く人を必要とする会社や事業がないか、身近なところからアンテナをはり、知り合いに知り合いを紹介してもらうことを根気強く続けると、いつか仕事につながります。

マーケティング・ブランディングの視点を持つ

実績のないライターに仕事を頼みたいと思う人は誰もいません。フリーランスで仕事を始める前には、自分の実績を証明できるものや、どんな分野に強いかを紹介するメディアを構築して、ライターとしての自分の価値を判断してもらいましょう。

自分のWebサイトを作って、納品までの流れや予算を紹介することは、信頼を得る手段の一つです。その運営がしっかりできていれば、仕事ができるライターと認めてもらうきっかけにもなります。

また、近年ではFacebookやtwitterなどのSNSが仕事の窓口として十分機能します。自分のブランドを高めるには文章力以外のスキルをどんどんアピールしていくことが大切です。

好きなことで食べていくということは、簡単なことではありません。フリーライターとして成功するには自分の価値を自分自身で高める努力や、思い通りにいかないことも根気強く続ける粘り強さが必要です。

しかしそれだけでは仕事は取れません。人脈を仕事につなげるビジネスの視点を忘れず、執筆以外の業務も確実に行うことが、フリーランスのライターに求められる最低限のスキルと言えるでしょう。

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SATORI
福島県出身の25歳。インディーズバンドのボーカル・作詞作曲を担当しながら、Webライターとして原稿執筆に取り組み、週に3日は居酒屋でも勤務するゴリゴリのフリーター。韻を踏むのが趣味で何より語感を重視する自称リズム系ライターである。陰謀・宇宙・近未来系の話題に敏感で、最も気になる人物はスペースX社のイーロン・マスク。

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